2010年6月26日土曜日

季移り

歌仙 ウ8秋月〜ウ11春花

◯冬の日 炭売の
 血刀かくす月の暗きに   荷兮  秋月 ウ8 
霧下りて本郷の鐘七つきく  杜国  秋  
 冬まつ納豆たゝくなるべし 野水  秋  納豆
はなに泣桜の黴とすてにける 芭蕉  春花 ウ11 

◯ひさご 木のもとに
 月見る顏の袖おもき露    碩  秋月 
秋風の船をこはがる波の音   水  秋
 鴈ゆくかたや白子若松    翁  秋  雁
千部読花の盛の一身田     碩  春花

◯猿蓑 灰汁桶の
 あつ風呂ずきの宵/\の月  兆  秋月
町内の秋も更行明やしき    来  秋
 何を見るにも露ばかり也   水  秋  露
花とちる身は西念が衣着て   蕉  春花

◯炭俵 梅が香に
 こんにやくばかりのこる名月 蕉  秋月
はつ雁に乗懸下地敷て見る   坡  秋
 露を相手に居合ひとぬき   蕉  秋  露
町衆のつらりと酔て花の陰   坡  春花

◯続猿蓑 いさみ立ち
 伊駒気づかふ綿とりの雨   沾  秋
うき旅は鵙とつれ立渡り鳥   里  秋
 有明高う明はつるそら    莧  秋月 有明 
柴舟の花の中よりつと出て   沾  春花

◯続猿蓑 猿蓑に
 山に門ある有明の月     蕉  秋月
初あらし畠の人のかけまはり  考  秋
 水際光る浜の小鰯      然  秋  鰯
見て通る紀三井は花の咲かゝり 蕉  春花

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