2010年6月29日火曜日

連歌百韻『はらからと』の巻 満尾


座・ツイッター連歌 @zrenga 2010.6.21〜6.29 #jrenga 連歌 俳諧 連句 
アバターrenga.heroku.com  式目  正風芭蕉流準拠十カ条 

1 発句  はらからと夕餉囲むや梅雨晴れ間   夏  海霧 
2 脇     はたとせほどもふりし風鈴    夏  氷心
2 脇     色よく漬かるなすびに胡瓜    夏  百
3 第三  怪談を銷夏の友に蟄居して      夏  草栞 (両句に)
3 第三  村おこし思案のさなかミスが出て      私
4       ひとり増えたが席足りており      彼郎女(両句に)
4       肩書きに付く代理心得         がじゅまる
4       断酒の誓ひいともはかなき       私  (両句に)
5     疾きこと風のやうなるお膳立て       不夜 (4の三句に)
6       枝折れそうに葡萄鈴生り     秋  百
7     だれかれの言い出すでなく月を待ち  秋月 リュウ
8       聞こし召しては紅葉狩るらむ   秋  玄碩

9     思ひ人目礼かへす冬隣        秋恋 百
10      湖畔の宿でメール re:re:re と   恋  リュウ
11    バーバリのコート目印改札で     恋  海霧
12      忍び逢ふほど情にほだされ    恋  栞
13    時は今つひに出廬をする臥龍        私
14      閑職なれば遊ぶ鳳雛          不夜
15    御曹司アクウェリアムにお忍びで      百
15    ツイッターでライバル他社をフォローして  彼郎女
16      にやつき殺しふりの眉皺        私 (両句に)
17    底冷えをつらしと思ふ嫦娥なり    冬月 リュウ
18      今更ながら鴛鴦を羨む      冬  彼郎女(おし)
19    さまざまな形に立ち枯れ蓮の骨    冬  私  (なり)
20      四阿よりの視界広々          不夜
21    花のころ摩天楼さへ霞みけり     春花 玄碩
21    隣から酒をつがれる花の宴      春花 百
22      女神の如き君麗かに       春  がじゅまる(両句に)
22      曲水のごと歌をせがみぬ     春  彼郎女  (両句に)
二オ
23    長閑なるカラオケ締める音大出    春  私    (両句に)
24      サイン求めて紳士群がる     恋  栞
24      慣れ親しめば料理マンネリ    恋  百
25    にぎやかに「チューボーですよ!」楽屋入り 不夜   (両句に)
26      鳴り物いりで百物語       夏  百
27    釣竿に蜘蛛糸垂すかわたろう     夏  栞
28      釈迦牟尼仏は笑みておはせり      リュウ
29    延々と甲までつづく生命線         私
30      行くべき道を示す如くに        彼郎女 
31    投げあげて落ちて止まった棒の先      不夜
32      押しかけられて有難迷惑        栞
33    壁中のグラビア写真はがされる       私
34      住み替る世のさだめ悲しも       不夜
35    ありあけをもどるあてなき旅に立つ  秋月 私
36      イカロス飛べり秋の明星     秋  がじゅまる
ニウ
37    きぬぎぬの帰したくない露時雨    秋恋 百
37    冷やかなベッドサイドの千羽鶴    秋  氷心
38      ブブゼラ響きヘ音まぎれる       栞    (両句に)
39    ダメ出しの合図ミキサールームより     不夜
40      オーバー・アクションみなに伝染    私
41    監督が「それはないよ」と猛抗議      彼郎女
42      鳶が油揚さらふ昼時          氷心
43    鴨川の岸に寄り添ふ影ふたつ        不夜
44      すみれに染まる誰そ彼の空       私
45    月の出の街に夜店のさんざめき    夏月 不夜
46      金魚掬いに名人来たり      夏  彼郎女
47    日向水このごろ眼がねしなければ   夏  百
48      3Dでは身体をよけて         海霧
49    降りかかる高精細の花に酔ふ     春花 栞
50      息弾ませて降りるぶらんこ    春  不夜
三オ
51    陽炎に里帰りする姉みえて      春  私
52      南ア連邦るつぼ沸騰          百
53    其処此処に山と積まれたインゴット     氷心
54      碧き制服微動だにせず         不夜
54      PC専用メガネ誂え          リュウ
55    SFの映画の様な国に住み         がじゅまる
55    休戦の監視団より報ありて         栞 (両句に)
56      陸海空を自由往来           氷心(両句に)
57    片恋に障害などはありはせぬ     恋  彼郎女
57    ゆったりと髪結ひあげて花菖蒲    夏  百
58      浴衣そんなに似合ふ君とは    夏恋 私 (両句に)
59    気の利いた言葉出てこずいふ駄洒落  恋  不夜
60      子にも受けねば親自虐的        栞
61    詩に痩せて迷路の出口牡丹鍋     冬  百
62      ミノタウロスの皿に供せし       がじゅまる
63    夜桜の宴照らすや小望月       春月 玄碩
64      佐保姫の頬朱に染まりけり    春  彼郎女
三ウ
65    いたづらな東風にまくれる衣の裾   春  私 (こち、きぬ)
66      ガラス戸前のダンス練習        不夜
67    脳内にバンドネオンの音色聴き       栞
68      銃身磨くドンの後継ぎ         不夜
69    七光り親の目光る間だけ          私
70      手のひら返すときの速さよ       不夜
71    夏至迎え山のホテルで月眺む     夏月 海霧
72      シャワーのあとにシャネル5番を 夏  リュウ
73    目をやるは金魚掬える娘のうなじ   夏  玄碩
73    新任の教師はタイトスカートで       不夜
74      力を入れて描く絵日記         栞 (両句に)
74      恋泥棒をリクエストする     恋  氷心(両句に)
75    頬染めし君のクレヨン見つからぬ   恋  がじゅまる
76      世話が焼けるぜペアの遠足    春  私
77    いづ方も花盗人を咎めせず      春花 不夜
78      見て見ぬふりの春の酔興     春  百
名オ
79    浅草で賽銭箱を遠回り           海霧
80      心のなかで手を合わせつつ       彼郎女
81    晩餐会主賓の国のマナーにて        がじゅまる
82      ずるずる啜る蕎麦のお作法       0chika
83    粋が無理まとひ野暮なる半可通       私
84      真打を待つ寄席の片隅         不夜
85    年明けの襲名披露に備へたり     新年 栞
86      淑気漂ふ玉砂利の道       新年 リュウ
87    散歩する成人病の予備軍も         百
88      七夕竹にふと目を止めぬ     秋  彼郎女
89    Fly me to the Moon と口ずさみ   秋月  栞
90      襟やや寒きトレンチコート    秋  不夜
91    今頃は安達が原で薬掘る       秋  百
92      蜂の仔なども珍重されて     秋  海霧
名ウ
93    一見で話が弾む父と彼        恋  氷心
94      彼女が裾をついと引っ張る    恋  彼郎女
95    寝乱れて黒髪なおす衣々に      恋  私
96      素知らぬ顔で朝の挨拶         栞
97    よく見れば路地を飛び交ふつばくらめ 春  不夜
98      子等は連なり野外授業か     春  がじゅまる
99    風狂の千句成したり花のもと     春花 百
100     年輪の笑み大樹のどらか     春  リュウ
100     終の棲家で春を惜しまん     春  栞

※同じ番号の句はことわりがなければ最後の句に次の番号の句が続いたことを示す。

  オ  123456月8       (1〜8)
  ウ  12345678月012花4 (9〜22)
  二オ 123456789012月4 (23〜36)
  二ウ 12345678月012花4 (37〜50)
  三オ 123456789012月4 (51〜64)
  三ウ 12345678月012花4 (65〜78)
  名オ 123456789012月4 (79〜92)
  名ウ 123456花8       (93〜100)

※twitterで巻かれた百韻
一、自由連歌百韻 初懐紙     3.8〜3.28
二、連歌百韻『花曇る』の巻   3.28〜4.9
三、連歌百韻『つみ草や』の巻  4.10〜4.16
四、連歌百韻『阿蘭陀を』の巻  4.16〜4.21
五、連歌百韻『人垣を』の巻   5.10〜5.15
六、連歌百韻『蚊柱を』の巻   5.17〜5.23
七、連歌百韻『ナイターに』の巻  5.26〜6.2
八、連歌百韻『目にしみる』の巻  6.4〜6.11
九、連歌百韻『翁逝き』の巻    6.13〜6.18
十、連歌百韻『はらからと』の巻  6.21〜6.29

写真提供はフォト蔵さん

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