※執中:前句から連想されるものの中で中心となるもの。これを執り題として付句を詠むことを執中の法と呼ぶ。
歌仙『古池や』の巻
執中
発句 古池やかはづ飛びこむ水の音 芭蕉 春 歩く人
脇 背筋を正し春の新服 春蘭 春 入学式
第三 そうりやうの入学式は天晴れて 同 春 気も漫ろ
四 要所だけ見てたゝむ朝刊 時事川柳
五 ひもすがら苦吟をすれば疾うに月 秋月 妻の目
六 理解のできぬつまの冷やか 秋 美術展
ウ一 ヌード画のけつこう多い美術展 秋 デート
二 ふいに縋られ重き片そで 浜辺
三 あし長き波のときをり打ち寄せて 睡魔
四 こくり舟漕ぎはつと驚く 留守番
五 留守電の釦を押してするゝすゐ 犬
六 隣近所は犬の無駄吠え
1、前句(ウ五)から言外に<犬>を連想。
2、<犬>を題として枝葉を付け加え付句を仕立てる。このとき前句は意識外にする。
3、前句と二句一連(短歌)で意味が通るように調整する。
4、打越方面をチェック。
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