2007年10月26日金曜日

歌仙『後の彼岸』の巻




      歌仙『後の彼岸』の巻
                     2007.10.1〜10.25

発句  夫とゐて迎ふる後の彼岸かな      酔姚    秋
脇     朝市に来て間引き菜を買ふ     青波    秋
三   月見にと汁の一つもととのえむ     こやん   秋月
四     手前うどんを飽かず三食      春蘭    
五   洋上に油さす船影もなく        面白 
六     黄昏迫る夕凪の空         草栞    夏
ウ 
一   夏祭り迷子放送紛れ込み        みかん   夏  
二     戻らぬ嫗探しあぐぬる       紫桜    
三   砂時計さかさにしてもおもひかぬ    酔     恋 
四     冷めてるはずが恋に落ちると    こ     恋
五   それらしい言葉並べて意味不明     波
六    「ポンパ」「ホエミャウ」アサッテの僕  白
七   をとつひの望からずつと酒の月     蘭     秋
八     忘れ扇の舞ひ落つままに      栞     秋
九   みむらさき小枝揺すれば色映えて    栞     秋
十     新作映画どれもよささう      酔
十一  6区より墨堤までの花篝        み     春花
十二    山が笑へば私も笑ふ        波     春
ナオ
一   行春に未だ行く先決まらねど      こ     春
二     黄色いえんぴつ倒れた方へ     白 
三   奔放か晩生かどちも魅力的       蘭      
四     兎狩る日も若きおもひで      酔     冬
五   囲炉裏端ばっちゃの話眠くなる     波     冬
六     腰痛体操念入りにして       み     
七   レオタード姿の君に一目ぼれ      栞     恋
八     ライバルおほき戀に勝たまし    蘭     恋   
九   メール来て悩むはレスのタイミング   こ  
十     明日は一日お出かけなのよ     み
十一  スタンダードながれる夕べ朱夏の月   白     夏
十二    水朝顔の映れる川面        酔     夏
ナウ
一   かはせみがゐると言ふからやつて来た  波     夏
二     似たものばかりカメラ抱えて    こ
三   数ばかり見るべきものの少なさよ    み 
四     憧る心いよよ深まる        白
五   奥山の庵隠すや花吹雪         栞     春花
挙句    あてなき身にもあたる春風     蘭     春

                  
                      (捌き 酔姚)



    

写真提供は、フォト蔵さん:彼岸花

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