宗牧『四道九品』 in 『中世の文学 連歌論集四』三弥井書店
「四道とは、さかふ 引はなつ
したがふ そふ。
(太田氏蔵本)(伊地知氏蔵本)
音する水は氷とけけり
雪埋む深谷の小川春寒て 添 逆
時のまにいたるとぞきく西の空
唐土までの春のはつかぜ 随 放
たもとにかすむありあけの月
鳥のこゑ花のにほひに山こえて 放 添
鳴とりもあはれとやみむ谷の庵
夕かぜあらき花のしたかげ 」 逆 随
さかふは逆ふ。引はなつは引き放つ。したがふは随ふ。そふは添ふであるが、上の四組の付合いの付け方が、逆・放・随・添のどれにあたるのかは蔵本で違う。話の展開の順番としては、添・随・放・逆が論理的であろうが、宗牧は逆から展開し、その例句がその順ではないというミスを犯したのかも知れない。私は太田氏蔵本の見方が正しいように思われる。
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