2010年2月28日日曜日

ヒストリアン 1

2007年03月31日11:36

『ヒストリアン』第1巻、エリザベス・コストヴァ著、高瀬素子訳、2006年、NHK出版   
原題:The Historian, Elizabeth Kostova, 2005


あらすじ:まるごとねたばれ
少女は歴史学者(ヒストリアン)の父の書斎で奇妙な古書を見つける。ほとんど空白で真ん中のページに竜の木版画が描かれていた。そばに宛名のない手紙の束があった。

父は娘とヨーロッパ各地を旅行する中でその本と手紙の束について語り始める。当時学生だった父はある日図書館の自分の机に奇妙な古書があるのに気がつく。図書館の本ではないという。

恩師である歴史学者のロッシ教授に聞きにいくと、自分も同じ本を持っているという。ロッシ教授は、ドラキュラ公と吸血鬼伝説の研究が専門であった。謎の本もそれらに関係しているようだ。調査した結果を教え子の父に託し、ロッシ教授は失踪してしまった。

ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』の本以来、ドラキュラ公=吸血鬼、吸血鬼=ドラキュラというイメージが出来上がってしまったが、本来別のものらしい。

父は図書館で自分が借りたい本を先に借りた女性に声をかける。彼女はロッシ教授がルーマニアで吸血鬼伝説の調査をしていたときに現地の女性に生ませた子ヘレン・ロッシであった。しかしロッシ教授はまだそのことを知らないという。彼女は人類学者として父のロッシ教授を見返したいと思っていたのでまだ名乗り出ていなかった。父はヘレン・ロッシとイスタンブールと東欧へ謎の本の解明とロッシ教授の手がかりとを求めて旅に出たと、父は語った。

父と娘はオックスフォード大での学会に出かけ、学寮に宿泊する。娘が朝起きてみると父の置き手紙があり、数日して戻るので心配するなとある。ジェイムズ学寮長に頼んであるので、家(アムステルダム)まで送ってもらえとも。無責任な父親だ。

娘は学寮長の指示でバーレイという青年に家まで送ってもらうが、すぐ父の後を追う。バーレイは娘を見張っていたのか娘に合流してついてくる。学寮長とバーレイがかなりあやしくなってきた。

調査を妨害する図書館員などの影。ドラキュラは今も生きていると言ったロッシ教授。まだ語られていない少女の母について父はまだ生きているかもしれないとつぶやいた。まだ謎ばかりだ。この歴史ミステリー紀行は、東洋と西洋のはざまでどんな展開となるのか、楽しみは尽きない。

生のにんにくと十字架を持って第2巻を読むことにしようw

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