2010年2月28日日曜日

萱草第六 雑連歌(一)










2007年05月21日12:38

京都大学附属図書館所蔵 古典籍 『萱草』(わすれぐさ)



萱草第六
 雑連歌

  伊勢度会のほとりにて侍し会のうちに  
 ただ夢のみの春の一とき 
  といふ句に
世中に布(ふ)れば年さり年こえて

  ここかしこの会の連歌のうちに
 雪ちりまよひ春さむき空
山はまた去年の嵐に月すみて

 まつ人よりも身ぞうらみなる
我いほにさがすは花やとはれまし


 さびしさやげに古寺の松がもと
はなに人なきあかつきの庭

 ときをうるにもあやうきをしれ
世こそただ風まつ花の一さかり

 いるくにつゐに心とめまし
おもひ入山も花ちり鳥なきて

 もみぢも菊もまひ人の袖
ちれば又色なる花をおりかへて

 山ほととぎすなかばなげかし
月のこりさくらちる夜のあり明に

 けふの日までもおしまれぞする
高野山のこりやよひの花にきて


http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/k107/image/1/k107s0058.html

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