2010年2月28日日曜日
萱草第五 恋連歌(十一)
2007年05月21日09:27
後の世かけてちぎりをくなか
ほどもへずなどめのまへにかはるらん
すぎにしかたのまことをぞしる
あだ人とききつつたのむすゑ絶て
たのめし末やたえだえの雲
契うき人ゆへ空もかこたれて
あさからずとてそひはてむかは
うかれただそれもかたみと成やせむ
わすれがたみの風ぞ身にしむ
ゆふべのみとはれし秋の空ににて
月も身にしむ恋しさとしれ
かたみとも人はおもはじ秋の空
人につかはしける百句の連歌の中に
うき思ひをも月や残さむ
ながめしようらみにかへる秋の空
いつあひ見てか袖をほさまし
うき中はさらになき世の別にて
いつをかぎりに人をおもはむ
ちぎりばや我にはてたる身をしらで
おぼつかなしたとをきおもかげ
さとはあれてとはれし暮もしらぬ世に
こころのおもひしのびはてめや
我(わが)うらみいはずばなきになりつべし
参考文献:
京都大学附属図書館所蔵 古典籍 『萱草』 [v.1, pp.110-111]
http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/k107/image/1/k107s0056.html
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