2010年2月28日日曜日

花の吉原なごり旅 その二

2007年01月23日21:24

言問橋を渡って隅田公園をちょっと北上すると待乳山聖天に出る。ここは、その昔、山谷堀、吉原への目印となっていたという。山谷堀はすっかり埋め立てられ(暗渠?)長い公園となっている。桜の木が植えられており、ところどころに老人が朝から座ってひなたぼっこをしている。どういう訳か男性としか合わないw 

日本堤「土手の伊勢屋」
しばらく、北西に進むと大きな通り(国際通り)と合流する。先に昼食の場所を確かめて置こうと念願の天ぷら屋、土手の伊勢屋に行く。木造の古い雰囲気のある店、だが貼紙がある。定休日は水曜とたしかめてある。今日、火曜日と連休だと書いてある。ガーン。目的の半分がいきなり吹っ飛んだ(^^;)
 
  臨休の貼紙まえに侘び立てば
      土手の伊勢屋にあたる北風  春蘭

吉原大門
気を取り直して、吉原大門に入って行く。普通の商店街じゃんと思ってしばらく歩いていたら、あやしいお兄さんが笑顔とやさしい声で「いかがですか」だって。朝から。上を見たら金瓶梅の店名、「い、いいです」と逃げる(^^;)

  闇の夜は吉原ばかり月夜哉     其角
  鯛は花江戸に生まれてけふの月    同
  呼び込みの声はやさしく金瓶梅   春蘭
  花魁はマイフェアレディと心得よ   同
  冬日影苦界浄土の夢があと      同 

吉原神社&吉原弁財天
吹きっさらしの弁財天は守の女性が居て数人女性客が居た。中央に弁財天か観音様かわからない像がそびえ立っている。まわりに歌碑や句碑、記念碑が並んでいる。遊女もよく通っていた所らしい。和歌一首と俳句一句に惹かれた。

  白菊のはなにひきなくおく露は
     なき人しのぶなみだなりけり 智栄 

  この廓や月雪花も三菩薩      黒澤槭翠?

  日本では観音菩薩は女郎なり    春蘭
  寒影や花のよし原なごりの碑     同
  紅楼は夢か弁天寒を裂く       同

近くの寺社を回ったがとりつく島のないところばかりで閉口した。下谷七福神、浅草七福神に属しているところもあり、七福めぐりが目的ならそれなりに達成感はあるだろう。

鷲神社:オープン過ぎ田舎のパチンコやと見まごう赤い旗だらけの体
大音寺:門が締まり、すっかり檀家だけの葬式宗教の体
    其角が次の句を詠んだところと聞いたが。

  梅が香や乞食の家ものぞかるる   其角

飛不動:こじんまりして信者じゃないと身の置き所なしの体
寿永寺:どこかわからないほどの小さな門が締まりやるきなしの体
日黄不動尊:地図でみてぐるっとまわって門締り、狭狭の体

浄閑寺  
投げ込み寺とも言われ、死んでも引き取り手のない哀れな遊女たちの無縁寺として、吉原の遊郭が利用したという。霊廟の入り口にいきなり、「若紫」という遊女の墓があり気になった。

  寒風に匂ふ紫煙や無縁塚      春蘭

三ノ輪商店街
なにかうまい店はないかとしばらく商店街を行ったがなさそうなので、ごく普通の大衆蕎麦屋に入った。冬はあったかいのもいい。忘れずに一本付ける。付け出しの白菜の浅漬けのうまいこと。おかめも安くうまかった。

  十五から酒をのみ出てけふの月   其角
  白菜に一本付けておかめ蕎麦    春蘭

都電荒川線
念願の都電荒川線初体験、揺れと酔いが心地よい。多分これは至福だ。
  
  北風や道路に負ける荒川線     春蘭
  春隣都電でのぼる飛鳥山       同
  早稲田まで揺られてさめる寒の酒   同 


写真は、待乳山聖天、山谷堀公園、喰いそこなった土手の伊勢屋 

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