2006年06月24日08:53
■『ブレイブ・ストーリー』宮部みゆき
映画が公開される前にもう一度本を読んでみた。やはりRPG(ロール・プレイング・ゲーム)風な所は走り読みとなった。逆に映画ではそういうところに一番力を入れるのだろう。
主人公と友人の死にたくなるほどの過酷な現実の情況。その運命を変えるため現世と平行して存在するという幻界にある運命の塔へ旅をする。多くの試練が次々と襲いかかる。果たして運命の塔へたどりつけるのか、そして自分たちの運命を変えられるのか。
運命の塔、魔法や怪物、ドラゴンなどはロード・オブ・ザ・リングやハリー・ポッターを、現世の下町での幽霊話は、宮部の霊験お初シリーズを想起させる。
筋立てとして都合のいいところが結構あるし、長いRPG風なところは退屈感もある。でも映像化すると違うのかもしれない。
主人公の亘(ワタル)は幻界の試練にみちた旅を続ける中で人間的に成長しついに次の認識にいたる。
「変えるべきなのは、僕の運命ではなくて、僕自身なんだ。」
なにより、運命を変えるとはどういうことなのか、本でも映画でも著者の強いメッセージが伝わるならば、その読者にとって名作といえるかも知れない。
0 件のコメント:
コメントを投稿