Yahoo360°の別荘で巻いた歌仙です。
歌仙「ソーダ水」
春すぎて夏きにけらしといにしへの歌にもあり。時節の移り変りは忙人を
待たず、ただ遊子のみ僅かに気づくものなり。そのはやきこと今も昔も浅
き夏の夜の夢の如し。一朝にして老残の身を嘆かしむ。人の世はうたかた
のソーダー水のごとしと言へる人をここに迎へて発句となし、ひとときの
なぐさみごととせん。
平成十八年 五月吉日 前中納言暑寒
発句 始まるねそんな予感のソーダ水 n_dim 夏
脇 オープンカフェに新緑の風 八の宮 夏
三 下腹へ力が入る鏡見て 前中納言 雑
四 メタボリックな想ひ募りつ 明日香皇子 雑
五 名月や泣き初む赤子抱きながら 八 秋月
六 窓にぺたぺた紅葉の手がた n 秋
ウ 一 恋心紫苑の花に託しけり 明 秋恋
二 まだ屁もひらぬ仲ぞうらめし 前 雑恋
三 新居ぞな聚楽障子に杉天井 n 雑
四 庵主となれど元は舞姫 八 雑
五 雪交ぜをとてきてけんじゃ又三郎 前 冬
六 トゥーランどどっと寒声高く 明 冬
七 草取りの婆らきまりのひとやすみ 八 雑
八 おぼろ月夜のパワーストーン n 春月
九 蜃気楼ゲルマラジオに耳澄ます 明 春
十 嵯峨念仏は有りがたきかな 前 春
十一 百萬のあざみ娘のなれの果て n 春
十二 親を憶へば花の雨降る 八 花
ナオ一 まほろばはやはり生まれし故郷ぞな 前 雑
二 兎にも角にも負はれてみたし 明 雑
三 好きやねん琴欧州はよか男 八 雑恋
四 掠奪愛はヨットの上で n 夏恋
五 夕凪に恋の季節を予感せり 明 夏恋
六 雲のむこうは朝鮮の国 前 雑
七 遠島の院の撰集とめどなく 八 雑
八 天気次第で変わる気分屋 八 雑
九 蜩に喇叭寂しき豆腐売り 前 秋
十 嬶のふとももねらふ後れ蚊 八 秋
十一 伯爵の眉間を照らす居待月 明 秋月
十二 酒にひとひら菊を浮かばせ 前 秋
ナウ一 けだるさに夢うつつなる舞台かな 明 雑
二 疝気に響く下座のお囃子 前 雑
三 春疾風幟旗竿翻へり 明 春
四 終着駅に巣食ふつばくろ 八 春
五 花ならば燃え尽くしてぞ姥桜 前 花
挙句 果ては焼野の灰となるまで 明 春
http://homepage.mac.com/metrius/soda.pdf
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