2010年2月27日土曜日

歌仙「ソーダ水」(連歌 俳諧 連句)

Yahoo360°の別荘で巻いた歌仙です。


        歌仙「ソーダ水」 
                        
春すぎて夏きにけらしといにしへの歌にもあり。時節の移り変りは忙人を
待たず、ただ遊子のみ僅かに気づくものなり。そのはやきこと今も昔も浅
き夏の夜の夢の如し。一朝にして老残の身を嘆かしむ。人の世はうたかた
のソーダー水のごとしと言へる人をここに迎へて発句となし、ひとときの
なぐさみごととせん。
               平成十八年 五月吉日 前中納言暑寒


  発句  始まるねそんな予感のソーダ水    n_dim   夏
  脇   オープンカフェに新緑の風      八の宮   夏  
  三   下腹へ力が入る鏡見て        前中納言  雑
  四   メタボリックな想ひ募りつ      明日香皇子 雑
  五   名月や泣き初む赤子抱きながら    八     秋月
  六   窓にぺたぺた紅葉の手がた      n      秋
ウ 一   恋心紫苑の花に託しけり       明     秋恋
  二   まだ屁もひらぬ仲ぞうらめし     前     雑恋
  三   新居ぞな聚楽障子に杉天井      n      雑
  四   庵主となれど元は舞姫        八     雑
  五   雪交ぜをとてきてけんじゃ又三郎   前     冬
  六   トゥーランどどっと寒声高く     明     冬
  七   草取りの婆らきまりのひとやすみ   八     雑
  八   おぼろ月夜のパワーストーン     n      春月
  九   蜃気楼ゲルマラジオに耳澄ます    明     春
  十   嵯峨念仏は有りがたきかな      前     春
  十一  百萬のあざみ娘のなれの果て     n      春
  十二  親を憶へば花の雨降る        八     花  
ナオ一   まほろばはやはり生まれし故郷ぞな  前     雑
  二   兎にも角にも負はれてみたし     明     雑
  三   好きやねん琴欧州はよか男      八     雑恋
  四   掠奪愛はヨットの上で        n      夏恋
  五   夕凪に恋の季節を予感せり      明     夏恋
  六   雲のむこうは朝鮮の国        前     雑
  七   遠島の院の撰集とめどなく      八     雑
  八   天気次第で変わる気分屋       八     雑
  九   蜩に喇叭寂しき豆腐売り       前     秋
  十   嬶のふとももねらふ後れ蚊      八     秋
  十一  伯爵の眉間を照らす居待月      明     秋月
  十二  酒にひとひら菊を浮かばせ      前     秋
ナウ一   けだるさに夢うつつなる舞台かな   明     雑
  二   疝気に響く下座のお囃子       前     雑
  三   春疾風幟旗竿翻へり         明     春
  四   終着駅に巣食ふつばくろ       八     春
  五   花ならば燃え尽くしてぞ姥桜     前     花
  挙句  果ては焼野の灰となるまで      明     春


http://homepage.mac.com/metrius/soda.pdf

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