歌仙『穂すすき』の巻
起首:2006.10.15
満尾:2006.10.21
発句 穂すすきや背のびも池面みえぬほど 春蘭 秋
脇 驚いて舞う草叢の蝶 ゆうゆ 秋
第三 有明の月に車庫より汽車出でて 蘭 秋月
四 病気自慢の同窓会 ゆ 雑
五 腰低い議員も元はガキ大将 蘭 雑
六 日傘もち行く晴雨兼用 ゆ 夏
ウ
一 かはほりに蚊柱くづれ消え去れり 蘭 夏
二 路地の奥より三線の音 蘭 雑
三 ケイタイのメールに入れる逢いたいと ゆ 雑恋
四 おもへば暮れる夕のバンコク 蘭 雑恋
五 羽田沖飛行機仰ぎ釣りをする ゆ 雑
六 やたらにでかい弁当の箱 蘭 雑
七 白菜の鍋を囲めば皆家族 ゆ 冬
八 身に沁む冬の良夜なりけり 蘭 冬月
九 白昼の廃線駅のがらんどう ゆ 雑
十 徒党を組んだ少年のころ 蘭 雑
十一 がらくたの部屋に暮らして養花天 ゆ 春花
十二 靴の紐結ぶ囀りの中 ゆ 春
ナオ
一 山寺の茶摘みは男女にぎやかに 蘭 春
二 甘いもの好き酒好きもをり ゆ 雑
三 ガラス戸の建て付けわるい湯治宿 蘭 雑
四 部屋のテレビに百円入れる ゆ 雑
五 遠雷の近づき来るをあやぶみて 蘭 夏
六 いきなり枝へ羽抜け鳥かな ゆ 夏
七 歯科医院女医におもはぬ恋ごごろ 蘭 雑恋
八 マスクをはづす声のやさしき ゆ 雑恋
九 わけありの何時まで続く膝枕 ゆ 雑恋
十 御用聞きさへのぞく節穴 蘭 雑
十一 十五夜の宴にさるぼぼ座らせる ゆ 秋月
十二 なにやら落ちて見ればひょんの実 蘭 秋
ナウ
一 七竈走り紅葉のあはれなる ゆ 秋
二 よくここまでと妻をほめけり 蘭 雑
三 あれこれとパッチワークの布探す ゆ 雑
四 おぼつかなきは春の天気よ 蘭 春
五 小面の微笑みあやし花の舞 蘭 春花
挙句 百千鳥のごと祝電のなる ゆ 春
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