2010年2月27日土曜日

歌仙『穂すすき』の巻(連歌 俳諧 連句)

      歌仙『穂すすき』の巻

                 起首:2006.10.15
                 満尾:2006.10.21

発句  穂すすきや背のびも池面みえぬほど  春蘭 秋
脇   驚いて舞う草叢の蝶        ゆうゆ 秋
第三  有明の月に車庫より汽車出でて     蘭 秋月
四   病気自慢の同窓会           ゆ 雑
五   腰低い議員も元はガキ大将       蘭 雑
六   日傘もち行く晴雨兼用         ゆ 夏

一   かはほりに蚊柱くづれ消え去れり    蘭 夏
二   路地の奥より三線の音         蘭 雑
三   ケイタイのメールに入れる逢いたいと  ゆ 雑恋
四   おもへば暮れる夕のバンコク      蘭 雑恋
五   羽田沖飛行機仰ぎ釣りをする      ゆ 雑
六   やたらにでかい弁当の箱        蘭 雑
七   白菜の鍋を囲めば皆家族        ゆ 冬
八   身に沁む冬の良夜なりけり       蘭 冬月
九   白昼の廃線駅のがらんどう       ゆ 雑
十   徒党を組んだ少年のころ        蘭 雑
十一  がらくたの部屋に暮らして養花天    ゆ 春花
十二  靴の紐結ぶ囀りの中          ゆ 春
ナオ
一   山寺の茶摘みは男女にぎやかに     蘭 春
二   甘いもの好き酒好きもをり       ゆ 雑
三   ガラス戸の建て付けわるい湯治宿    蘭 雑
四   部屋のテレビに百円入れる       ゆ 雑
五   遠雷の近づき来るをあやぶみて     蘭 夏
六   いきなり枝へ羽抜け鳥かな       ゆ 夏
七   歯科医院女医におもはぬ恋ごごろ    蘭 雑恋
八   マスクをはづす声のやさしき      ゆ 雑恋   
九   わけありの何時まで続く膝枕      ゆ 雑恋
十   御用聞きさへのぞく節穴        蘭 雑
十一  十五夜の宴にさるぼぼ座らせる     ゆ 秋月
十二  なにやら落ちて見ればひょんの実    蘭 秋
ナウ
一   七竈走り紅葉のあはれなる       ゆ 秋
二   よくここまでと妻をほめけり      蘭 雑
三   あれこれとパッチワークの布探す    ゆ 雑
四   おぼつかなきは春の天気よ       蘭 春      
五   小面の微笑みあやし花の舞       蘭 春花         
挙句  百千鳥のごと祝電のなる        ゆ 春

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